企業が学生に求める3大能力、あなたに備わっていますか?
今回のテーマは、『企業が学生に求める能力』です。
「企業が学生を評価する際、どんな能力を重視しているか」についてお話をしていきます。
目次
学生に求められる能力
まず、下のグラフを見てください。
引用元:一般社団法人 日本経済団体連合会
※元の表から、2018年4月入社対象の数値のみ抽出して作成
これは、2017年に経団連が実施した「新卒採用に関するアンケート調査」にて、企業が学生の選考にあたって重視した点についての回答結果をまとめたグラフです。
グラフを見てお分かりのとおり、「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」などが、相変わらず重視されています。(「コミュニケーション能力」は15年連続トップ)
意外かもしれませんが、「専門性」や「一般常識」はそれほど重視されていません。また、グローバル化が叫ばれる昨今ですが、「語学力」や「留学経験」も数値的にはそれほど高くないのが分かります。
コミュニケーション能力がここまで重要視される理由
こういうグラフをお見せすると、
「また、コミュニケーション能力か・・・」
「もっと重要な能力が他にあるだろう・・・」
と言う方がいらっしゃいます。
確かにおっしゃる通りな気もしますが、ここまで“コミュニケーション能力”が盛んに叫ばれるのには、きちんとした理由があります。
それは、日本ならではの「終身雇用」と「柔軟な人事異動」という2つの雇用制度が原因なのです。
まず、本題に入る前に、ココでの言葉の定義です。
「終身雇用」についてはご説明の必要はないと思いますので割愛しますが、「柔軟な人事移動」という言葉のご説明をしておきます。
「柔軟な人事移動」
日本では、勤務地や部署を跨ぐ人事異動が当たり前のように行われます。
例えば、「Aさんを本社の営業係長から関西支店の総務課長に異動・昇進させる」というような人事異動です。このような勤務地や部署を跨ぐ人事異動を、私は「柔軟な人事異動」と呼んでいます。
さて、話を本題に戻しましょう。
日本ならではの「終身雇用」と「柔軟な人事異動」という2つの雇用制度の特徴からは、「社員はいくつもの部署を異動しながら様々な仕事を覚え、社内人脈を作り、職位を昇って行く」といったキャリア設計がスタンダードになります。
そのようなキャリア設計が当たり前のようになされる以上、企業としては、「入社時点での限定的な業務能力」よりも、「入社後に配属部署に適応し、仕事を覚え、周囲と良い関係を築ける能力」を持つ学生が必要であると判断するのは至極当然な結果と言えるでしょう。
つまり、「入社後に配属部署に適応し、仕事を覚え、周囲と良い関係を築ける能力」の形成に必要となるベースの能力が、『コミュニケーション能力』であり、『主体性』であり、『チャレンジ精神』だ、という事なのです。
資格や経歴を過信してはいけない
就職活動という不安の募るイベントにおいて、証明しにくい抽象的な能力よりも、数字や資格として見えるTOEICや簿記などの各種資格・検定、そして、留学経験〇年というような経歴にすがりたくなる心情はよく分かります。
もちろん、資格取得に向けて勉強すること自体は良いことですし、語学だけでなく異国の文化を学び見地を拡げることは非常に有意義なことですので、それ自体を否定するわけではありませんが、それが、「就職活動において内定の決め手となる」と判断するのは非常に危険です。
大事なのは、企業が求める「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」といった能力を学生時代に如何に養い、それらの能力をどうアピールできるか、なのです。